TRTという耳鳴り治療法は、耳鳴りを無くす方法ではなく、耳鳴りの音に慣れて、耳鳴りを意識しないようにさせる、あまり気にならない音に変化させようとする方法です。

TRTの考え方では、耳鳴りを苦痛に感じるのは、耳鳴りに対する不安感や苛立ちのためと考えます。
さらに自律神経の失調が重なって、状況を悪化させていきます。
つまり、耳鳴りが自分にとって危険な音であると認識してしまうために、常に聞こえる耳鳴りの音が神経を刺激するのです。

例えば、アパートに住んでいて、隣の部屋から何か怪しい音が聞こえてきたとします。
テロリストが爆弾を作っているかもしれない、などと思うと怖くて気になってしまいます。
ところが、その音は趣味の陶芸作りの音だと分かるとホッとして、気になっていた音が気にならなくなります。

TRTは、この例のように、気になる音を意識させなくする治療法です。
TRTが成功すると、耳鳴りが気になることが次第に無くなっていきます。

具体的には、耳鳴りの音を含むノイズ発生器(ノイズジェネレーター)を耳に装着します。
常にその音を耳に流すことで、耳鳴りも生活の中で聞こえる雑音と同様に、無視して構わない音なのだと脳が認識するようにしていきます。

TRTでは、耳鳴りの根本原因を治すことはできません。
しかし、耳鳴りが続くことから引き起こされる不快な感情やストレスを和らげて、上手に耳鳴りと付き合っていくことができるようになります。

TRTの効果は1~3か月くらいから出始め、1~2年で十分な効果が得られるといわれています。